内定への近道:新卒メガベンチャーエンジニアを目指す学生への長期インターンのススメ

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私は以前メガベンチャー企業の新卒採用面接官として、数多くの学生の面接を経験しました。候補者の中でも、とくに内定を獲得する確率が高い学生には、長期インターンを通じた実務経験が共通していました。

この記事では、長期インターンの重要性とその活用方法を詳しく解説し、皆さんが長期インターンを始めるためのモチベーションを高めることを目指します。

メガベンチャー企業の選考における長期インターンの重要視傾向

昔のメガベンチャーでは、未経験で内定して就職後にエンジニアとしてのキャリアを始めたという人が一定いました。私が一緒に働いた入社歴の長い優秀なエンジニアの中にもそういった人は多数います。

しかし、近年のメガベンチャーに内定している学生の多くは、長期インターンでの実務経験を積んでいます。企業によっては、実務経験を積んでいることは、採用基準の1つになっている可能性すらあります。

メガベンチャーに行きたい学生に、1つだけアドバイスをできるなら「長期インターンで開発経験を積むこと」を迷わずオススメします。そのくらい長期インターンでの開発経験はプラスに評価されます。

私は新卒就活時にメガベンチャー企業から複数内定をいただきましたが、これは私自身が長期インターンでの実務経験があったためです。ぶっちゃけ、就活にはほとんど困りませんでした。

長期インターンの実務経験が就活で高く評価される理由

1. ソフトウェアエンジニアになるための行動・努力をしている

面接官は候補者に対して「本当に技術が好きでエンジニアになりたいと考えているのか」という観点で面接に臨んでいます。長期インターンでエンジニアとして働いたことのある人は、おおよそこの条件を満たしています。エンジニアとして働きたくて面接に来ているなら、エンジニアとして働いた経験があるのは自然なんですよね。逆に働いたこともないのに「エンジニアとして働きたいです!」と言われても説得力がまったくありません。また、就職後に「やっぱりエンジニア向いてないかも」というミスマッチが起こる可能性も防げます。

就職前に実務経験を積むのが難しい仕事もあります。たとえば、医師や弁護士のような資格・免許が必要な仕事は実務経験を積むのが難しいでしょう。しかし、エンジニアはパソコン一台あればすぐに実務経験が積めます。もちろん、まったくの未経験からインターンとして働き始めるまでには努力が必要ですが、ソフトウェアエンジニアになるという目標を定めて、それを達成するために行動をしたり、努力をしたりできるという能力自体が高く評価されます。始めるハードルが低い分、始めていないと不思議に思われるので、実務経験を積むための行動・努力を始めましょう。

2. 長期でインターンをしている人は技術力が高い

新卒でメガベンチャーに内定している学生の技術力はかなり高いです。技術力がない場合、技術力の低さを補うポテンシャルを示せなければ、ほぼ内定に至らないでしょう。

それに対して、長期でインターンをしている学生は技術力が高い場合が多いです。

学生だろうがなんだろうが、プロダクション環境で動作して、ビジネスを成立させられる水準の技術力が要求されるので、努力を怠らなければ自ずと技術力は上がります。授業や趣味で書いた使い捨てのコードと、複数人で開発したプロダクションレベルのコードには大きな隔たりがあることを理解してください。

また、フィードバックをしてくれる人がいる点も技術力の向上につながっています。インターン生が書いたコードがバグって障害を起こすと、社員が障害対応をすることになります。障害が多発してビジネスが成り立たなくなると困るのは社員(と株主)です。そのため、社員は真剣なフィードバックをしてくれます。自分より技術力のある人からのフィードバックは、何よりも技術力向上に寄与します。

3. 長期インターンで得た開発経験エピソードには厚みがあるので面接映えする

どんな会社を受けるにせよ、面接で必ず「あなたがもっとも力を入れた / 挑戦した開発経験について教えてください」と確実に深掘りされます。

長期インターンでは、実際のビジネスの現場で働いているので、何かしら解決困難な課題にぶち当たります。困難な課題を解決して、それをエピソードとして伝えられるかどうかが、ソフトウェアエンジニア職の就活の命運を左右します。

後述しますが、広報目的で半分説明会の短期インターンと比べると、長期インターンで得られる経験をもとにしたエピソードは厚みがまったく違います。この質問に対しては、自分がいかに困難な課題に直面して、どのように工夫してそれを解決に導いたのかをしっかりとアピールしましょう。アピールするためには、日々実務環境で起こった課題に対して、失敗しても良いから挑戦していかなければなりません。それに、失敗を経験してきた人は挑戦をしてきた人なので、失敗を経験していない人よりも面接では高評価につながりやすいです。失敗を恐れずに大胆に挑戦をしていきましょう。

4. 実務経験を積んでいないと相対的に不利になり得る

先ほどお伝えした通り、近年のメガベンチャーに内定している学生の多くは、長期インターンでの実務経験を積んでいます。そのため、実務経験を積んでいないことで他の候補者と比較された時に相対的に不利になり得るのです。実務経験なしの候補者が長期インターンでバリバリ実務経験を積んでいる他の候補者に勝つためには、以下のような何かしら突出した成果でポテンシャルをアピールする必要があると考えてください。

  • 個人サービス開発経験
  • 有名 OSS へのコントリビュート
  • 技術カンファレンスでの発表・登壇経験
  • 競技プログラミングやコンテストでの上位成績者
  • 学術的な成果
  • 技術書の執筆

短期インターンとの比較

ここまでは長期のインターンにのみフォーカスを当てていましたが、短期インターンについても簡単に触れておきます。

短期インターンとは

ここでは、期間が1日~2週間程度のものを短期インターンと定義します。短期インターンは、学生の長期休みに合わせて開催されることが多いです。企業が短期インターンを開催する主目的は、超優秀な学生にリーチして、その企業に魅力を感じてもらって、内定承諾につなげることです。かなり広報的な側面が強いことを認識してください。

短期インターンに行く意味はある?

基本的には長期インターンと比べると短期インターンへの参加はメリットが少ないと思います。後述しますが、参加企業に内定したい場合は行く意味が大いにあります。参加メリットが低い理由は2つあります。

1. 技術力の向上に寄与しにくい

メガベンチャーに就職したいなら、ある程度の技術力がないと基本的に内定できません。技術力を上げるためには、じっくりと時間をかけて取り組む必要があります。短時間でぱっと技術力が上がる銀の弾丸はありません。

企業側が短期インターンを開催する主目的は「超優秀な学生にリーチして、その企業に魅力を感じてもらって、内定承諾につなげること」です。学生の技術力を上げることではありません。それよりも、企業に魅力を感じてもらうための説明会っぽい側面が強いです。

技術力を上げたいなら、長期インターンに参加して、実際のビジネス環境で実務経験を積みましょう。

2. 他社の本選考時のアピール材料としては弱い

実際に私が新卒採用の面接をしている際に、他社の短期インターンのエピソードを伝えられても高く評価するのは難しいと感じていました。理由は2つあります。

1つ目の理由は、短期インターンが技術力の向上に寄与しにくいため、面接内でアピールされても評価しにくいためです。それよりも解決するのが困難だった課題を解決した話や、じっくりプロダクト開発をした話の方が高く評価される可能性が高いです。

2つ目の理由は、短期インターンで得られる経験は基本的に薄いためです。数日しか日数がない上に、会社の説明会要素が含まれるので、本当に解決が困難な課題を解決する経験は得るのが難しいです。

短時間で自分を最大限アピールしなければならない本選考の面接の場で、他社の短期インターンの薄い経験を話すと「この人これまでの人生の中でもっと頑張ったエピソードないのかな」「解決するのが困難な挑戦をしてきていないのかな」と警戒心が強まります。

履歴書などの書類に書いたり、面接の自己紹介の際に短期インターンに参加したことを伝えても良いですが、面接中に短期インターンのエピソードについて詳細に語っても高い評価につながりにくい点はおさえておきましょう。

ただし例外として、有名企業の短期インターンで突出した成果を出した場合は高い評価につながる可能性があります。これは、有名企業の短期インターンは倍率が非常に高いので、学生の中でもかなりの優秀層しか参加できない上に、その中で突出した成果を出すのは容易ではないためです。面接官が興味を持てば深掘りしてくるので、自己紹介の際にでもサラッとアピールするのが良いでしょう。

短期インターン参加の最大のメリット

これは明確で、短期インターンに参加した企業に内定しやすくなることです。

再三になりますが、企業側が短期インターンを開催する主目的は「超優秀な学生にリーチして、その企業に魅力を感じてもらって、内定承諾につなげること」です。短期インターン中にあなたの人物像を詳しく知ってもらったり、際立った成果を出したりすると、短期インターンに参加していない学生に比べてかなり内定に有利に働きます。場合によっては、早期選考に進めたり、本選考を何個かスキップできたり、即内定が出たりします。

長期インターンは技術力を磨いたり、さまざまな経験を積む場所で、短期インターンは自分が行きたい会社の内定に直結する場所として分けて捉えておくと良さそうです。

短期インターンは企業の実態をある程度知れたり、時給が良かったり、同世代のエンジニア学生との繋がりができたりと細々としたメリットもありますが、内定しやすくなる唯一無二のメリットと比べると大したメリットではないので説明は割愛します。

学生生活とインターンの両立について

私は長期インターンをゴリ押してきましたが、学生生活のすべてをインターンに捧げるべきとは思っていません。学生生活とインターンはバランスを取って両立することをオススメします。

会社員になると、自分の自由に使える時間が減ります。学生生活の間は自由に使える時間が多いです。これを活用しない手はありません。勉強、研究、趣味、恋愛、自分のビジネスなど、時間を要することに時間を割いてください。働くのは会社員になってからいくらでもできますし、嫌でもやらなければいけない状況になります。

インターンの批判として、学生の本分である学業を阻害するというのがあります。これは一理あると思いますが、現実的に実務経験を積んだ学生が面接で高い評価をされることを踏まえると、学業一辺倒という選択肢はオススメしません。それに、多くの学生は学業だけに専念しているのではなく、生活費や娯楽費のためにアルバイトをしています。時給1000円程度で技術スキルの身につかないアルバイトをできる時間があるなら、長期インターンを通じて実務経験を積みつつ、倍の時給で半分の稼働におさえる一石二鳥を狙いましょう。学生であっても、経験とスキルがあれば時給2000円~3000円程度は稼げるようになります。効率よく稼いで、浮いた時間は自由に使って、貴重な学生生活を充実させてください。

まとめ

この記事では、近年のメガベンチャー企業が長期インターンで開発経験を積んでいることを、選考時に重視している点についてお伝えしました。

また、長期インターンと短期インターンを比較して、長期インターンは技術力を磨いたり、さまざまな経験を積む場所で、短期インターンは自分が行きたい会社の内定に直結する場所と使い分けることを提案しました。

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