私は以前の記事で、メガベンチャーなどの内定難易度が高い企業に行くためには長期インターンで実務経験を積むことをオススメしました。
本記事では、まだ一度も長期インターンに参加したことのない実務未経験者向けに、どのようにインターンを始めるのかお伝えします。
前提となる基本戦略
まず、ここで前提となる基本戦略をお伝えします。基本的に以下の3ステップに沿ってインターン先を探していくことをオススメします。
- どの領域の開発をしたいのか明確にする
- まずは長期インターンの募集ポジションに対して応募する
- 応募と並行して学習を進める
このステップの重要ポイントは、ステップ2で応募をし、ステップ3で応募と並行して学習をしている点です。まだ実務未経験の方は自信がなくてギョッとしたかもしれませんね。
これにはきちんと理由があるので、以下で各ステップの詳細について詳しくお伝えします。
1. どの領域の開発をしたいのか明確にする
まずはあなたが今後どのような領域の開発をしたいのか明確にしましょう。領域とは以下のようなものを想定しています。
- フロントエンド
- バックエンド
- クラウドインフラ
- モバイル(iOS, Android)
- 機械学習
これを定めない限り、応募することも、学習を始めることもできないのでまずはこれを決めましょう。
開発領域をどうしても自分で決められない方には、私はバックエンドの開発をオススメします。なぜなら、BootCode ではメガベンチャーに新卒で行くことをオススメしていますが、メガベンチャーでポジションの多い職種がバックエンドエンジニアだからです。フロントエンドやモバイルエンジニアの仕事もありますが、数だけで見るとバックエンドのポジションが多いです。もちろん、フロントエンドやモバイルが、自分のやりたい領域ならそれを選択することはまったく問題ありませんし、専門性を高めれば就職に困ることはないです。
2. まずは長期インターンの募集ポジションに対して応募する
開発領域を決めたら次にすることは、まず長期インターンの募集ポジションに対して応募してみることです。ちなみに、次のステップでやることは「応募と並行して学習を進める」です。学習してから応募の順番ではない点を頭の片隅に入れつつ、この先を読み進めてください。
ただし、全くプログラミングをやったことのない人は例外とします。そういった人は、最低限一つでも良いのでチュートリアルを通じて学習してから、この応募するステップに進んでください。
実務未経験者はインターンへの応募と学習を同時並行して進めるべき理由
前提として、実務未経験者が長期のインターン先を見つけるのは難易度が比較的高いです。一度実務経験を積むと、次のインターン先は比較的簡単に見つかります。未経験者を雇うと、教える側にかなりのコスト(手間、教える人と教わる人の人件費 etc)がかかります。そのため、実務未経験者と経験者の間には大きな溝があることを認識してください。
これを踏まえてでも、私が応募と学習を並行して進めましょうと主張している理由は、以下の2つです。
- 実務未経験者をポテンシャルで採用してくれるインターン先があるかもしれないから
- 一人で学習をしていても、学習効率が悪く目的のインターン先決定に繋がらないから
まず「1. 実務未経験者をポテンシャルで採用してくれるインターン先があるかもしれないから」についてです。
確かにあなたは実務未経験者で、いきなり応募をするのをためらっているかもしれません。しかし、世の中にはたくさんの会社があり、会社によっては未経験のあなたを育てるコストを払ってでも雇いたいと判断する可能性があります。
実際「エンジニア 長期インターン 大学生 未経験」と雑に調べてみると、未経験者歓迎といった募集も複数存在しています。あなたがインターンを始められるかどうかは、あなたのスキルだけで決まるのではなく、雇う企業側の事情も相まって決まります。
実務未経験の学生エンジニアを雇う側も、基本的には育てる前提で求人を出しています。あなたにあまりスキルがなかったとしても、企業の採用担当者が「地頭の良い学生なら現時点のスキルは重視しない」「この学生は成長するポテンシャルを感じる」「多少教えるコストがかかってでも今は人手を増やしたい」と判断するかもしれません。それに、求人に応募して不採用だとしても、あなたが失うものはほぼありません。それよりも、不採用だった理由を深ぼることで、学習を通じてどんなスキルを身につけるべきかが明確になって、並行して進めている学習にポジティブな影響を与えられるかもしれません。
次に「2. 一人で学習をしていても、学習効率が悪く目的のインターン先決定に繋がらないから」についてです。
実務未経験者がプログラミングの学習を一人で進めていても、かなり学習効率が悪いです。効率が悪い理由は「悩んだ時に相談できる人がいない」「フィードバックを受けられないと飛躍的な成長はしにくい」「学習を目的にしてコードを書いているので、現場レベルの技術力がいつまで経ってもつかない」からです。先ほどお伝えした通り、未経験者に求めるハードルが低い応募先もあるので、いつまでも学習ばかりしていないで実践をしに行った方が良いです。
プロのスポーツ選手は、ひたすら練習ばかりするのではなく、試合や大会に出てプロになっています。プロの歌手は、ボイトレばかりするのではなく、ライブやインターネットなどで披露してプロになっています。
それと同様で、プロのソフトウェアエンジニアになりたいなら、いつまでも一人でチュートリアルだけやっているのではなく、さっさとプロの現場に行ってコードを書き始めるための一歩を踏み出しましょう。
ここまで読んでいただければ、学習ばかりしていてはダメで、応募することが大事だと理解していただけたでしょう。では、ここからは具体的にどうやって長期インターン先を見つけるのかお伝えします。
長期インターンの募集ポジションの探し方
私のオススメは上から順に以下の通りです。
- 長期インターンで働いている友人に紹介してもらう
- ネットに出ている求人を探してみる
- SNS で企業の人に連絡を取ってみる
1. 長期インターンで働いている友人に紹介してもらう
もっともオススメなのは、あなたの周囲で働いている友人に紹介してもらう方法です。
これにはあなたと企業の双方にメリットがあります。あなたはすでに働いている友人がいるので、友人経由でその企業が信頼できる会社かある程度知ることができますし、何か働いていて困ったことがあれば友人に相談できます。また、企業からするとなんの繋がりもない人を雇うよりも、信頼できるインターン生(あなたの友人)から紹介された人の方が信頼できますし、求人媒体で募集をかけるコストも削減できます。
実際、私も大学生の頃インターン先に、大学の友人を実務未経験の紹介して採用に繋がった経験があります。
2. ネットに出ている求人サイトで探してみる
最後にオススメなのが、ネットに出ている求人を探してみる方法です。
ネットで探す際のもっともオススメな方法としては、「ITエンジニアインターン情報が集まる魔法のスプレッドシート」を参考に探す方法です。このシートには長期・短期のインターン情報が集まります。有志の方が毎年引き継ぎをしながら更新をしているようです。かなり網羅性が高い内容になっているので、全体を眺めてみて興味の湧いた会社・ポジションに申し込んでみると良いでしょう。
もしくは「エンジニア 長期インターン 大学生 未経験」のようなワードでブラウザで調べてみると、求人サイト上でかなりの数の求人を見つけられます。これらの求人の中から、自分が興味のある開発領域のポジションを探し出して応募してみましょう。
3. SNS で企業の人に連絡を取ってみる
次にオススメなのが、SNS で企業の人に連絡を取ってみる方法です。エンジニアの募集を行っている企業では、SNS を採用目的で活用しているケースが多いです。
たとえば、X で「エンジニア インターン 募集」と検索してみましょう。そうすると、インターンを募集している企業の人たちのポストがあります。そういったポストに対してリプライや DM をしてみましょう。
実際、私も大学生の頃にとある企業の面識のない CEO に対して、Twitter 経由でインターンの応募をし、そこでインターン生として働いた経験があります。この経験は非常にその後のキャリアに好影響を及ぼして、もしあの時勇気を出していなければメガベンチャーに新卒で就職できていなかったかもしれません。
ちなみに、最初はお金を稼ぐことよりも経験を積むことを優先してください。時給が高い案件にばかり応募するのではなく、自分で決めた開発領域の経験が積めるかどうかを重視しましょう。一度働き始めて実務経験を積むと、学生でも2000円~3000円程度の時給は難なく稼げるようになります。しかし、最初は1000円程度が相場と考えておくと良いでしょう。最初から高望みせず、まずは実務経験を一刻も早く積み始めることにフォーカスしましょう。ただし、実務経験がなくても、技術力に自信のある方は高時給の案件を積極的に探してください。
3. 応募と並行して学習を進める
ここまでは、応募の話を中心にお伝えしましたが、ここからはインターンに採用されるための学習方針についてお伝えします。具体的な学習方法については、この記事のスコープ外で、今後他の記事で詳しくお伝えする予定です。
私は応募と学習を並行して進めましょうとお伝えしました。しかし、現実的にコードを1行も書いたことのない人がインターンに採用されるケースはほとんどないでしょう。未経験募集のポジションに応募するにしても、学習をしっかりと行って、どんなことを学んだのかアピールすることが重要になります。
まずは、決めた開発領域の言語やフレームワークの初学者向けのコンテンツを試してみましょう。初学者向けのコンテンツには、チュートリアル、動画教材、本などがあります。初学者向けのコンテンツを1周やっただけでも採用されるケースはあると思います。注意点として、この初期学習に時間をかけすぎても学習効率は悪いので、概要を掴むことを目的にスピーディーに完了させてください。私はプログラミングを始めた当初、Udemy などの動画コンテンツを活用して学習をしていました。ネットで公開されているチュートリアルでは、説明が省かれているような細かい操作方法などについても、動画コンテンツだとカバーしてくれている場合が多いので、初心者には動画コンテンツを利用することをオススメします。
初学者向けのコンテンツが完了したら、次は何か自分で作成してみましょう。いわゆるポートフォリオというやつです。初学者向けのコンテンツに取り組む目的は概要を掴むことでしたが、ポートフォリオを作成する目的は細部の理解と面接時のアピール要素を作ることです。ひとまずポートフォリオまで作成したら、どこかしらの企業がインターンとして採用してくれると考えて良いでしょう。
インターンの採用を勝ち取ることを目的にするなら、ポートフォリオのアイデアはなんでも良いです。何を作ったのかよりも、なぜ作ったのかや、作った過程で困難だったことや学んだこと、そして最後まで自分で作り切ったことの方が重視されます。アイデアがなくて手を動かせないなら、ひとまず SNS サービスの模倣アプリ、タスク管理アプリ、日記アプリなどを作ってみると良いと思います。
ここで改めてお伝えしますが、学習と応募は並行して進めるようにしてくださいね。応募をせず学習だけしていても、あなたの本来の目的の「インターンで実務経験を積むこと」は達成されません。
まとめ
この記事では、実務未経験者向けにインターンを始める方法を以下のステップでお伝えしました。
- どの領域の開発をしたいのか明確にする
- まずは長期インターンの募集ポジションに対して応募する
- 応募と並行して学習を進める
このステップの重要ポイントは、ステップ2で応募をし、ステップ3で応募と並行して学習をしている点でした。
このステップに沿って行動を始めて、実務未経験者を早く卒業しましょう。
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